やしゅ色でいこう

2014年6月に「カメラを趣味にする」と宣言してミラーレスカメラOM-D E-M10を手にしたずぶの素人。
徐々に写真のテクニックやセンスを向上させていく過程が見られる…予定。

カテゴリ:カメラ > OM-D E-M10

今どきのレンズ交換式のデジカメはどれもそうだと思うが、OM-D E-M10はソフトウェア的な設定のみならず、ボタンやダイヤルに好きな機能を割り当てるカスタマイズが(ある程度)柔軟にできる。

P1140004

昨日のエントリーでFn1ボタンにAFを割り当てているという話を書いた。これは実はデフォルト設定なのだが、それ以外のボタンについてはほぼ全てデフォルトではない設定で使っているので、今日はそれについて書いてみたいと思う。

・単焦点レンズをメインに
・主に花などをクローズアップで撮ることが多い

という人には参考になるのではないだろうか。

P1140001

まず、前提として絶対にはずせないのがAF/MFの設定である。

[AF/MF] - [AF方式]  - [静止画] ← [S-AF+MF]
[AF/MF] - [AEL/AFLモード] - [S-AF] ← [mode 3] 


前者はAFを働かせた瞬間に自動でピント合わせ(オートフォーカス)もするが、その前だろうと後だろうと好きな時にフォーカスリングを回すとフォーカス距離を変えることができる(マニュアルフォーカス)よ、という設定である。
マクロを使う時など、被写界深度が浅くなってピント合わせがシビアな時にはAFだけに頼らずMFも併用しますね。という設定である。

後者は昨日触れた「親指AF」の設定である。mode 1 はレリーズボタン(シャッターボタン)を半押しするとAFが働くのに対し、この mode 3 だとAFL/AELボタンという仮想的なボタンを押すことでAFが働くということになっている。
そのAFL/AELボタンというのは仮想的なボタンなので、どこか適当なボタンをAFL/AELボタンとして割り当てなければならない。各種ボタンに割り当てることができるがデフォルトではFn1になっているし、Fn1以外だと「親指AF」にならない。例えばFn2に割り当てると人差し指を少しずらしてFn2ボタンを押してAFし、レリーズボタンに戻してシャッターを切るということが可能だが、その動作を同時に行うことはできないので用途によっては困ることになる。わざわざそうする必要もないのでデフォルトのままFn1にAFL/AELでいいと思う。

P1140002

ではその [ボタン/ダイヤル] - [ボタン] メニューをもぐっていく。

P1140003

まず設定したいのは [上下左右ボタン機能] にダイレクト機能を割り当てることである。
これはデフォルトでは [・・・] となっていて、AFターゲットを選択できるようになっている。
つまり、デフォルトでは上下左右のどのボタンを押しても最初の一押しからAFターゲットが動くのでAF以外は使いませんという人には超便利な状態である。
しかし、ここにダイレクト機能を割り当てると、矢印の左ボタンを押すとAFターゲットを動かせるモードに入り、ツータッチ目から実際にターゲットを動かすことができるのでボタン操作が1回増える。

しかし、AFだけには頼らない使い方をするので、ダイレクト機能にするとで機能の割り当てを行えるボタンが増えるメリットを活かしたい。つまり、右矢印ボタンを下矢印ボタンに何らかの機能を割り当てることができるようになるのだ。

ちなみに、上下左右ボタン機能をダイレクト機能にした時、上ボタンを押すと(Aモードなら)絞りと露出補正を矢印ボタンで行うモードに切り替わる。そんなのダイヤルで操作するのが普通なのにそれをわざわざボタンで操作できるようにするというこのモードの意味がわからない。上ボタンにも何か機能が割り当てられればいいのに、と思う。

それはともかく、右ボタンにはISOとWB(ホワイトバランス)をダイヤルで操作できるモードに切り替わるボタン下ボタンには連写やセルフタイマーを設定するモードに切り替わるボタンを割り当てた。WBはよく使うので、OKボタンを押したりスーパーコンパネから選ぶより、ワンタッチで切り替わる方が嬉しい。セルフタイマーは2秒セルフをよく使う。手持ちでレリーズボタンを押し込む時のショックで起こる手ぶれを防ぐためにも有効であるのでこれも多用する。ただし、これは電源OFFでも初期設定に戻らないので、次に起動した時にすぐにシャッターが切れずに慌てる要因になるので注意が必要だ。

残るボタンはFn2と録画開始ボタンである。(L-Fnというのもあるがこれはレンズにつくボタンであり、これを実装していないレンズの方が多いのであまりアテにできない)
動画は使わない(どうしても撮りたい時はモード切替ダイヤルで動画撮影モードに入る)ので、これも別の機能に割り当てている。

特に単焦点をメインに使っていると、もう少し望遠にしたいと思うことがある。例えばわたしの常用している15mm F1.7などを付けた時なんかがそうだ。時間に少し余裕があって画質を優先するならばもちろんそれ相応の焦点距離のレンズに付け替えるが、そうでないならばデジタルテレコンという機能を使う。これは(わたしの理解では)センサーの中央付近だけを使うことで、あたかも焦点距離が倍にのびたように望遠になるという機能である。
そしてそのデジタルテレコンのon/offを録画開始ボタン(赤丸のついたボタン)に割り当てると、そういう時に便利である。

最後にFn2ボタンには拡大表示を割り当てている。
この機能はMFを使う時は必須であろうし、EVFを使うメリットの筆頭ではなかろうか。
つまり、視野中の任意の領域を拡大(5倍~14倍)してEVFいっぱいに表示するというものである。もちろんEVFだけではなく、背面液晶でライブビュー中は背面液晶全体に拡大表示される。
最終的に撮影される範囲は元の(拡大されていない)視野全体なのだが、その一部を拡大表示することで細やかなピント調整が可能になってくるのだ。
個人的にこの機能は多用しているので、光学ファインダーのレフ機を使うと不安になる。
その時はその時でAF派になるのかな…とも思う。
 

OLYMPUS OM-D E-M10は1年半前に一目惚れして買ったカメラだ。
もちろんそれ以前にもコンデジはもちろん、一眼レフも所有していたが、カメラそのものに対してそんなには思い入れが無かったし、どのカメラでもカメラ任せのいわゆる「オート」 でしか撮影していなかったくらいの興味だった。

「いい写真が撮りたい」

そう思った時に手元にあったLUMIX GF3の操作性が不満だった。
もちろん、操作性の悪さは写真のウデとはまた別の次元の話であるが、とかく初心者には操作性のところで写真の上達が決まることが多い気がする。
露出を変更するという(今となっては)頻繁に行う作業をするために、ボタンを駆使してメニューの階層を降りていき、ボタンを駆使して補正するような、わかっている人からすると「ちょっと手間だなぁ」という動作も初心者には飛べないハードルとなる。「そんなに面倒ならやらない」 という帰結になる可能性が高い。
GF3を持っていた自分はまさにそうだった。

今でも思うのだが、操作性という面だけで言うとミラーレスの小ささはそれだけで分が悪い。やはりある程度の大きさがあった方が操作性は良くなる。

一方で、機動性の高さということになると話は全く変わってくる。鞄の中に簡単に放り込めて、どこへでも持って行ける機動性の高さはそれだけでシャッターチャンスも増えるだろうし、結果として撮る枚数も多くなり、それだけ写真も上達できると思う。そしてそういうカメラとは小さく軽いカメラである。

勝手に主張すると、初心者に向いたカメラとは操作性がよく機動性が高いカメラだと思っている。
それをカメラの大きさだけで言うと、困ったことに、ある程度の大きさがありかつ小さいもの、となってしまう。これでは解が無い。

2年ほど前、「気軽に持ち出せてササッと操作のできるカメラがあれば自分も写真を趣味にしようと思うのに…」そう思っていた自分にとって、世にあるカメラは小さすぎる(操作性が悪い)か大きすぎる(機動性が悪い)かのどちらかだったのだ。OM-D E-M10に出会うまでは。

もちろん、ちょうどいい大きさというものは人によって違うだろう。同じ人でもカメラのスキルが上がったり、体力が衰えたりするとまた変わってくるものだとも思える。
もっと大きくてもどこでも持って行くよ、という人もいれば、このカメラでさえ大きすぎて普段から持ち歩く気にならないという人もいるだろう。自分もひょっとしたらそのうちこのカメラの操作性や機動性が気に入らなくなるかもしれない。あくまでもその時の自分にとってのベストなカメラがOM-D E-M10だったというわけだ。

P1130994
 
このカメラの第一印象は、まず全体的なデザインが好みだったということ。単なる懐古趣味でもないし、かといって尖りすぎてもいないそのたたずまいが気に入った。
適度にごちゃごちゃしている軍艦部分(カメラの上部のボタンやダイヤルやファインダーがついている部分 )もいい。
絞り優先モードで絞り値と露出補正を同時にぐりぐりできるダイヤル操作は今まで持っていたカメラとは全然違う「自らの意思で絵を作っている」 感が心地よかった。それでいて、なんとか普段使いの鞄に放り込めそうな大きさ…これぞ自分がカメラに求めていたものだ!
そう思った。

あとは値段だ。
カメラを趣味にしている人にしてみるとレンズ1本くらいの値段、あるいは撮影数回分の費用…かもしれない。それでも、1万円のコンデジと比較するとできることに大差はない(失礼)のに、下手すりゃ10倍もの値段がついている。それで自分の中で一過性のブームが過ぎた時には単なる文鎮になってしまうのだとしたらもうちょっと他に有効なお金の使い方があるかもしれない。

少し悩んだ。

そして決心した。

「カメラを趣味にしよう」と。

一生続けられる趣味にしようと。

P1130991


そうすれば急にその値段は決して高いものではなくなる。 
そしてその夏の小遣いをつぎ込みこのカメラを手に入れた。
2014年6月21日のことである。



それから何千回何万回とシャッターを切ってきているので手に馴染んできているということもあるだろう。
今のところ操作性については満足している。もちろん、改善して欲しい点もいくつかあるが、それよりも良い点の方が多くある。

中でも気に入っているのがFn1ボタンの位置だ。

P1130989
 
このFn1ボタンにはAFを割り当てている。
具体的には次の通りだ。

[AF/MF] - [AF方式]  - [静止画] ← [S-AF+MF]
[AEL/AFLモード] - [S-AF] ← [mode 3] 

こうするといわゆる親指AFの設定になる。
親指AFを知らない人のために説明すると(自分も1年半前には知らなかった) 、この設定をするとFn1ボタンを親指で押すことでオートフォーカス(AF)できるようになる。
多くの人が行っているようなレリーズボタン(シャッターボタン)半押しでAF、全押しでレリーズというのとは異なり、レリーズボタンを操作するだけではAFが効かないのだ。 
1つのボタンで済む操作を2つのボタンに分けて割り振っているということになる。

わざわざそうすることの利点はいくつかあるが、
・動きモノを撮る時にC-AFしやすい
・ピントがシビアなマクロ撮影でピント合わせと構図合わせを切り離すことで、撮影時に構図に専念しやすい
というのが主立ったところだろう。

自分は動きモノは撮らないが(いや、たまに撮るが…)主に後者の理由からほぼ親指AFにしている。
特にマクロレンズを使った等倍撮影で同じ花を構図を変えて何枚も撮る時には大変有効である。

ミラーレスは花のクローズアップ写真を撮るのにいいシステムだと思っているのだが、どういうわけかOM-Dシリーズの新しい機種では親指AFができそうな位置にその機能を割り振れるボタンがないことが不満だ。
E-M5 mark II ではボタンの横にレバーがあって、ボタンそのものが押しにくいし、E-M10 mark II ではボタンが右に寄りすぎていて実用的で無い。 だから買い換えようという気にもならない。

また、この右手の人差し指と親指が届く範囲はカメラの中でも「一等地」なので、よく使う機能が割り振られて然るべきだと思っている。
その点、E-M10 はとてもよろしい。

個人的に、電池の持ちがイマイチなミラーレスなので使わない時はこまめに電源を切ることにしたい。なので電源レバーも右手親指がぎりぎり届き、そして右手一本で操作できる場所にあるのも○だ。一方で1ヶ月に数回しか触らないモードダイヤルが一等地を離れているのもリーズナブルである。

P1130996

 
ただ、EVF(電子ビューファインダー)の横についている切り替えボタンはもうちょっと押しやすいところにあってもよかったかなぁ、と思わなくもない。
基本的には、ライブビューを背面液晶にするかEVFにするかを切り替えるボタンなのだが、(デフォルトでは)背面液晶に設定していてもファインダーに目を近づけた時には勝手にEVFに切り替わってくれ液晶は真っ暗になるのに対し、EVFに設定すると背面液晶はスーパーコンパネを表示するようになる。

P1130998
 
このスーパーコンパネはいろんな設定が一覧できて、かつ、変更画面に遷移もできるので便利なのだが、普段は背面液晶でライブビューもしたい。…となると、その切り替えのためにちょっと押しにくいあのボタンを押さなければならない…というのがちょっと億劫である。贅沢だろうか…。

さて、ボタン以外でボディについて語られることが多いのがホールド性であろう。

P1130999
 
当然、このサイズのミラーレスなのでグリップというのはこの程度だし、ホールド性というのがいいか悪いかと言われると今どきの一眼レフに比べたら良くないのだろうが、この点について不満に思ったことがないというのが正直なところだ。ひょっとしたら自分は他人に比べてホールド性というものに対して寛容なのかもしれない。逆にそこに厳格な人にはどうしてそこまでこだわるのかを聞いてみたいところでもある。

まとめ

無理矢理まとめると、OM-D E-M10はよく使う機能をアクセスしやすい位置に配置することで撮影時における高い操作性を維持しつつ、 積極的に持ち出そうというモチベーションを削がない程度に機動性を高くすることに成功していてカメラ初心者にいいバランスを持ったカメラだと思う。
いくつかの点で不満がなくもないが、まだしばらく使い続けたいと思う自分にとってはいいカメラである。 

↑このページのトップヘ